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ヴィパッサナー瞑想日記 その1

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 5月13日〜5月24日まで、日本ヴィパッサナー協会の主催するヴィパッサナー瞑想10日間コースに参加してきました。

 この10日間コース、期間中は一切の会話、携帯電話、メール、本を読む、メモを取ることも禁止されて、1日9時間以上の瞑想を行うという、ハードコアなもの。と、同時に情報が溢れる社会に生きる私達にとって、それを完全にシャットアウトして、自分の心と向き合える貴重な10日間でもあります。

 昨日コースから戻ってきて、まだまだ瞑想ボケしてますが、何とも静かで、同時に色々あって、不思議な時間をすごしてきたなあと、余韻に浸っています。きっと興味のある人も少なくないと思うので、期間中の出来事を記憶がうろ覚えにならないうちに、忘備録的に書き留めておきます。

 ヴィパッサナー瞑想とは何でしょう?Wikipediaには次のように解説されています。

 「ヴィパッサナー瞑想(ヴィパッサナーめいそう、巴: vipassanā, ヴィパッサナー、梵: vipaśyanā , ヴィパシャナー、毘鉢舎那、観・内観)とは、南伝系の現代仏教における観行瞑想のこと。パーリ語の「ヴィパッサナー瞑想」という表現を用いる場合は、上座部仏教の観行瞑想を指し、またそれを現代風にアレンジして世界中に布教している瞑想法のことも指す。」

 ヴィパッサナー瞑想にはいくつかの流派があるようですが、私が参加してきた10日間のコースはミャンマー出身のインド人S.N ゴエンカ氏の指導による瞑想コースです。
 
 ミャンマーで政府高官であったサヤジ・ウ・バ・キン氏よりヴィパッサナーを学ぶ機会に恵まれたゴエンカ氏は、 14 年間学んだ後、インドに移住してそこで10日間のコースを指導しはじめました。
 ブッダの時代から現代まで、ヴィパッサナーは途切れることなく指導者から指導者へと受け継がれてきたと言われていますが、当時、仏教発祥の地でありながら、インドではすでにヴィパッサナー瞑想の伝統は失われていました。
 
 ヒンドゥー教徒として生まれ育ちながらも、ヴィパッサナー瞑想に深く感銘を受け、それを伝えることに情熱を注いだ氏の教えは、この瞑想法が仏教という枠組みを超えた普遍的なものであると、繰り返します。その姿勢により、コースの内容も、講話の時間はあるものの、仏教徒でない人たちにも広く受け入れやすいものになっています。
 
 ゴエンカ氏の指導するヴィパッサナー瞑想法ではまずは10日間のコースに参加することが入り口となっています。その瞑想法をじっくり体験し、味わい、そこをスタート地点として、瞑想の実践を日々の生活に広げてゆくのです。
 
 といっても、10日間会話もせず、ひたすら瞑想し続けるというコース内容は現代社会においてはかなり過激です。実際まさにスポ根的です。それだけに、一体どんな境地にたどり着くのだろうかと、単純に興味と好奇心が湧いてくる。そこからコースに参加する人も少くなくないはず。
 
 私自身もこの10日間コースの存在を知ったのは、もう12,3年も前のこと。当時習っていたヨガの先生から話を聞いたのでした。すぐに興味が湧きましたが、その時ヨガの時間の最後の10分ほどの瞑想すらちゃんと集中できなかったので、私にはとてもムリだろうなあと、ずっとためらっていたのでした。

 しかし、自分の揺れ動きやすく、手に負えない感情をなんとかしたくて、ヴィパッサナー瞑想の本を読んでちょっと練習したり、核心にはなかなか飛び込めないままその周りをぐるぐるを回っている内に、ベリーダンスに出会って夢中になり、一時的にそのことは心の片隅に追いやられてしまっていました。
 
 今回インドに行った時に、出会った旅行者とヴィパッサナー瞑想が話題になって勧められたのがきっかけで、「今ならできるかも」と帰国したその日に今回のコースに申し込みました。ヨガに深く傾倒して3年たち、集中的に瞑想を学んでみたいという想いもありました。

 さて、そのコースですが1日のスケージュースは以下のとおりです。

午前4時:起床
午前4時30分~6時30分:ホールまたは自分の部屋で瞑想
午前6時30分~8時:朝食と休憩
午前8時~9時:ホールにてグループ瞑想
午前9時~11時:ホールまたは自分の部屋で瞑想
午前11時~12時:昼食
午後12時~1時:休憩および指導者への質問
午後1時~2時30分:ホールまたは自分の部屋で瞑想
午後2時30分~3時30分:ホールにてグループ瞑想
午後3時30分~5時:ホールまたは自分の部屋で瞑想
午後5時~6時:ティータイム
午後6時~7時:ホールにてグループ瞑想
午後7時~8時15分:講話
午後8時15分~9時:ホールにてグループ瞑想
午後9時~9時30分:ホールにて質問
午後9時30分:就寝

 一日中食事と寝る時間以外は瞑想している訳です。しかも行ってはじめて気が付きましたが、夕食は出ません。午後に口に入れられるのは、お茶とフルーツと軽いスナックのみです。しかもスナックを食べられるのは新しい生徒だけ。2回目以降の古い生徒は、お昼以降は固形物を口にできず、お茶飲のみ、(しかもミルク、豆乳は禁止)。

 この10日間コースを行っているセンターは世界中に150箇所以上もあるそうですが、日本では千葉と京都にセンターがあります。私は今回、千葉のダンマーディッチャというセンターに行きました。
 
 場所は房総の茂原駅からバスで30分車で10分ほど走った、田園地帯。東京から2時間ちょっともあれば着いてしまうのに、周囲は林に囲まれ車の音などもほぼ聞こえません。後で聞いた所もと野球場だったそうです。ひがな1日、うぐいすやひばりや、鳶の声が聞こえ、林を通り抜ける風の音だけが空に溶けるように響いていました。

 参加者は男女合わせて約60人ほどでしょうか。年齢層が若いのに驚かされます。女性は4,50代が最年長と言う感じ。20代から〜30代くらいがメインです。コース期間中は完全に男女は隔てられて生活します。女性同士も、沈黙が解けるまではおしゃべりできないので、コミュケーションは全くなし。目も合わさず、お互いの邪魔にならないように、静かに気を配りながら集団生活を送ります。
 
 部屋はドミトリーの雑魚寝を覚悟していたのですが、昨年に個室の宿泊棟が出来たらしく、基本的には古い生徒が優先らしいのですが、幸運にもそちらを割り当てられました。これは本当に楽だった!寝台のコンパートメントくらいの広さながらプライベートな空間をいただけたことは、精神的にかなり助けられました。シャワートイレは共同で、宿舎から離れた場所にあり、雨が降ると不便ではありますが、綺麗に保たれています。そしてヴィパッサナーのセンターは全て寄付とボランティアで運営されています。なのでコース中の生活のサポートをしてくださった方々も、全てヴィパッサナーの実践者たちです。

 これだけの規模の合宿施設や瞑想コースを寄付だけで運営しているのは驚き。

 さて、いよいよ瞑想合宿がはじまります。(つづく)
by umiyuri21 | 2015-05-25 21:29 | ヨガ


瞑想やヨガ、インド占星術、創作活動、日々の暮らしや旅など、色々綴っております。基本的に長文です。


by Yuriko

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