映画WEEKまとめ3 「一粒の麦」

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先月末に映画祭で観た映画の事まとめようと思ったら、インドで力尽きもう1週間経ってしまった。とりあえず最後に心に残ったルーマニア映画「一粒の麦」とそれにまつわるもろもろを書き留めて置きます。


<一粒の麦 あらすじ>
 自動車事故を起こして亡くなった息子の遺体を引き取りに、ルーマニアに向かうセルビア人の父、身売りされコソボで売春を強要されている娘を捜しに行くルーマニア人の父、二人はドナウ川の国境ですれ違う。祖先がオーストリアからこの地に移住したという渡し船の船頭が、この付近に伝わる幽霊教会の伝説を語りはじめる。それは正教会の建設が禁止されていた時代に、古い木造の教会を村に移築しようと奮闘する、ルーマニア人農民の物語。3つの悲劇的な物語がドナウ川の上で重なり合う。
 
c0010791_21272395.jpg 映像も美しく、所々はバルカンの映画らしいコミカルな色合で語られてはいるものの、全体的にはものすご〜く重い話で見終わってどっと疲れたというのが、まずは正直な感想。何しろ登場人物だって嘆き悲しんでる人か悪者ばっかりで、救いようが全然ないし、後味悪いのなんのって。カタルシスばっちりのインド映画に慣れてしまうと、こういうヨーロッパのどん詰まり感漂う映画って、本当つらくなってしまうんですよね・・
 とはいうものの、あまりの暗さに映画全体に漂う陰鬱さの正体をつきとめたくなり、
ふとバルカンの歴史をおさらいしてみることに。アマゾンで検索して見つけた「バルカンの亡霊たち」(ロバート・D・カプラン著/NTT出版)という本が面白そうだったので図書館に借りに行く。

 
c0010791_21275359.jpg これはジャーナリストである著者が80年代から90年初頭にかけてバルカン諸国を旅した旅行記なのだけど、単なる旅行記に留まらず、その風土や歴史を語りながら、それぞれの民族が抱え込む精神性を浮き彫りにした予想以上に面白い本で、最近読んだ旅行記の中でもかなりのヒット作でした。
 読み進めているうちに、映画の中の世界観が急にリアルに見えてきて、これは単なるペシミスティックな映画じゃなく物語の中に様々な歴史的なメタファーが隠されていたのだなあ、と気がつく。後味は悪い映画だったけど、確実に心に「何か」が残ったことは確かなので、強度が高い作品だったんだなあ。
 
という訳で思いがけず、もやもやしていたバルカンの国々のイメージが急に生き生きしてきたこの1週間。やっぱりいつかは行ってみたい。

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by umiyuri21 | 2010-11-03 21:29 | 映画


旅とヨガとイラストレーション。世界と身体と脳内をめぐる旅。


by 若山ゆりこ

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