インディアン・ヨガライフ〜第2ラウンド Vol:1
ずっと無精をしていましたが、昨年11月に再びケーララへヨガを学びに行き、先月戻ってきました。今回も色んな事がありました。ヨガ修行というよりは人生修業の趣を呈してまいりました。本当は戻ってきてすぐに滞在記をアップしたかったですが、何だかまだ色々と片付いていなくて、起こったことを客観的に見る目が養えておりませんが。今回はノンエディットで長々書いていこうと思います。気長にお付き合いください。
インディアン・ヨガライフ第1ラウンドはこちらからどうぞ
不在のレッスン
2013年11月末、私は再びケーララ州のコーチン空港に一人で降り立った。約7ヶ月ぶり、懐かしいというよりは、またここに来ちゃったのかという気分だ。
空港にはジョシーの妹夫婦が迎えに来てくれた。ジョシーは急用があってカンニャクマリに行ったが、昨日はストで交通機関が麻痺して身動きが取れず、早朝の列車で彼らの家に向かっていると告げられた。
前回、5ヶ月に及ぶケーララでのヨガ合宿を終えて、帰国したのが2013年の5月、一足先に私が日本に戻り、1,2ヶ月もすれば、ジョシーも日本に帰国してレッスンを再開できると思っていた。
しかし結局彼は日本には戻って来なかったのだった。
妹夫婦の車に乗り込んで、半年前に何度も繰り返し見ていた、椰子やバナナの木の連なる風景を眺めながら、再びここに至るまでの日本での日々をしみじみ思い出す。
東京に戻った当初、私は茫然自失し疲れ果てていた。身体は贅肉がすっかり落ちたとはいえ、ちょっと心配されるくらいガリガリになっていたし、ケーララの強い日差しにさらされたせいか、はたまた栄養失調か、抜け毛が強烈なのにも焦った。
できればすみやかに、東京の日常モードに戻らねばならないはずだが、ケーララでびっちり師匠にコミットし続けてきた生活があまりに強烈で、何をどう消化していいのか分からない。
一体あれは何だったのか?
ヨガの勉強とはいうものの、5ヶ月一体何をしてきたのか、突然の私の行動に心配する友達も多かった、それをいちいち人に説明するのも面倒だ、何より自分の体験を自分の中で整理したくて、ケーララでの日々をブログにまとめてみることにした。
結構好評だった。
人々がジョシーの人となりに興味を持ってくれたのもうれしかったし、彼のヨガを是非習ってみたいという人も少なくなかった。気を良くした私は、ジョシーが帰国したら彼のWSを企画しようと目論んでみたりした。
同時に様々なヨガやインド哲学の文献を紐解くことにした。何しろジョシーからヨガを習い始めてから、怒涛のように色々な事が起こりすぎて、現実に追いつくのが精一杯であった。ここに来てはじめてゆっくり本を読む時間ができたのであった。今更ながら「バガヴァッド・ギーター」や「マハーバーラタ」を読んでみた。以前なら難解と感じただろう哲学的な言葉の数々が、不思議とするすると心に染みてくる事に気がついた。
それから、毎朝のアーサナの自主練に加え、夕刻に瞑想の時間を作った。前にも書いたがインドでは一度も瞑想を教えてもらった事はなかった。「教えて欲しい」と頼んでも「まだ早い」と言われるだけだった。それでもともかく、できるだけ毎日1時間は静かに座り続けることを課してみたのだった。
不思議なことに以前は注意力散漫で20分程度が限界だった瞑想も、思いの外長く座れるようになっていた。基本的に雑念が多い人間なので、気が付くとどうでもいいことを考えていることがほとんどなのだが、それでも時々は研ぎ澄まされた静かな状態をキープ出来る日もあり、私はだんだんと毎日の瞑想タイムを楽しみにするようになっていた。
しかし、季節が春から夏に変わっても、我が師は一向に日本に帰ってくる気配がなかった。
いつ電話をしても「もうすぐ帰るよ〜今チケット探してるから」と言うだけで、全く進展する様子がないのである。
時々半分冗談なのか本気なのか「東京までバスで帰ることってできるの?」とか「今日、ランチ食べたいね、どこで待ち合わせしたら会える?」などと謎のセリフが飛び出す。
どうやら日本とインドがどのくらい離れているか、どうやったら日本へたどり着くかという距離感の認識が彼の頭のなかで時々飛んでしまうようなのである。
当初は彼の奥さんが、インドに彼を迎えに行くと言っていた。ところが、なかなか彼女が旅立つという知らせもない。
最初のうちは、毎日の生活を東京のペースに戻すのが優先だったし、その傍らに、学んだアーサナの復習をし、インド哲学の文献を紐解くのも楽しく、淡々と充実した時間を過ごしていた。
しかしいつまで待っても、一向にレッスンを再開できる目処が立たないとなると、私はだんだんとイライラし始めた。本当に彼は帰ってくるのか、私のヨガレッスンはどうなってしまうのか...。
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不在のレッスン
2013年11月末、私は再びケーララ州のコーチン空港に一人で降り立った。約7ヶ月ぶり、懐かしいというよりは、またここに来ちゃったのかという気分だ。
空港にはジョシーの妹夫婦が迎えに来てくれた。ジョシーは急用があってカンニャクマリに行ったが、昨日はストで交通機関が麻痺して身動きが取れず、早朝の列車で彼らの家に向かっていると告げられた。
前回、5ヶ月に及ぶケーララでのヨガ合宿を終えて、帰国したのが2013年の5月、一足先に私が日本に戻り、1,2ヶ月もすれば、ジョシーも日本に帰国してレッスンを再開できると思っていた。
しかし結局彼は日本には戻って来なかったのだった。
妹夫婦の車に乗り込んで、半年前に何度も繰り返し見ていた、椰子やバナナの木の連なる風景を眺めながら、再びここに至るまでの日本での日々をしみじみ思い出す。
東京に戻った当初、私は茫然自失し疲れ果てていた。身体は贅肉がすっかり落ちたとはいえ、ちょっと心配されるくらいガリガリになっていたし、ケーララの強い日差しにさらされたせいか、はたまた栄養失調か、抜け毛が強烈なのにも焦った。
できればすみやかに、東京の日常モードに戻らねばならないはずだが、ケーララでびっちり師匠にコミットし続けてきた生活があまりに強烈で、何をどう消化していいのか分からない。
一体あれは何だったのか?
ヨガの勉強とはいうものの、5ヶ月一体何をしてきたのか、突然の私の行動に心配する友達も多かった、それをいちいち人に説明するのも面倒だ、何より自分の体験を自分の中で整理したくて、ケーララでの日々をブログにまとめてみることにした。
結構好評だった。
人々がジョシーの人となりに興味を持ってくれたのもうれしかったし、彼のヨガを是非習ってみたいという人も少なくなかった。気を良くした私は、ジョシーが帰国したら彼のWSを企画しようと目論んでみたりした。
同時に様々なヨガやインド哲学の文献を紐解くことにした。何しろジョシーからヨガを習い始めてから、怒涛のように色々な事が起こりすぎて、現実に追いつくのが精一杯であった。ここに来てはじめてゆっくり本を読む時間ができたのであった。今更ながら「バガヴァッド・ギーター」や「マハーバーラタ」を読んでみた。以前なら難解と感じただろう哲学的な言葉の数々が、不思議とするすると心に染みてくる事に気がついた。
それから、毎朝のアーサナの自主練に加え、夕刻に瞑想の時間を作った。前にも書いたがインドでは一度も瞑想を教えてもらった事はなかった。「教えて欲しい」と頼んでも「まだ早い」と言われるだけだった。それでもともかく、できるだけ毎日1時間は静かに座り続けることを課してみたのだった。
不思議なことに以前は注意力散漫で20分程度が限界だった瞑想も、思いの外長く座れるようになっていた。基本的に雑念が多い人間なので、気が付くとどうでもいいことを考えていることがほとんどなのだが、それでも時々は研ぎ澄まされた静かな状態をキープ出来る日もあり、私はだんだんと毎日の瞑想タイムを楽しみにするようになっていた。
しかし、季節が春から夏に変わっても、我が師は一向に日本に帰ってくる気配がなかった。
いつ電話をしても「もうすぐ帰るよ〜今チケット探してるから」と言うだけで、全く進展する様子がないのである。
時々半分冗談なのか本気なのか「東京までバスで帰ることってできるの?」とか「今日、ランチ食べたいね、どこで待ち合わせしたら会える?」などと謎のセリフが飛び出す。
どうやら日本とインドがどのくらい離れているか、どうやったら日本へたどり着くかという距離感の認識が彼の頭のなかで時々飛んでしまうようなのである。
当初は彼の奥さんが、インドに彼を迎えに行くと言っていた。ところが、なかなか彼女が旅立つという知らせもない。
最初のうちは、毎日の生活を東京のペースに戻すのが優先だったし、その傍らに、学んだアーサナの復習をし、インド哲学の文献を紐解くのも楽しく、淡々と充実した時間を過ごしていた。
しかしいつまで待っても、一向にレッスンを再開できる目処が立たないとなると、私はだんだんとイライラし始めた。本当に彼は帰ってくるのか、私のヨガレッスンはどうなってしまうのか...。
by umiyuri21
| 2014-05-07 15:26
| ヨガ滞在記
瞑想やヨガ、インド占星術、創作活動、日々の暮らしや旅など、色々綴っております。基本的に長文です。
by Yuriko
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