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インディアン・ヨガライフ 第2ラウンド~vol:3

インディアン・ヨガライフ 第1ラウンドはこちらから
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「ケーララへ再び」

 確かに待つということを積極的に受け入れてみると、心にこびりついていた余計なゴミが剥がれて、私は本来の自分に戻っていくように感じ始めた。ジョシーと出会いヨガをはじめ、見えない力に運ばれるようにインドまで行き、その期待をあざ笑うかのように、師匠に翻弄され、日本に戻ってきた。思い起こせば私はずっと地に足が着かず、興奮状態であった。それが中断された落胆と苛立ちにかわり、それもだんだん静まっていった。
 その時に気がついた、私がもっと欲しい、もっと知りたい、もっと学びたい、もっと、もっと、もっと、と思うほど、ゴミは心の中に蓄積されていくのだ。沢山のゴミを心の中に抱え込んでいればいるほど、全ては遠のいていくのだということを。

 「コップの水を空っぽにしなさい、そうでなければあなたは必要な事は学べない。」とジョシーは良く私に言ったものだった。そう言われた私はいつも不本意だった、私のコップはいつも空だ、私は学びたい意欲に燃えて、今か今かと待ち受けているんだから。
 ところがそうではなかった。私のコップの水はいつも期待と欲で満ち溢れていた。あまりにも期待で溢れすぎて、もし彼が何かを私のコップに注いでくれても「これは私の期待した通りの水じゃない」と知らずに投げ捨ててしまうほどであったのだ。
 私がインドの5ヶ月で期待していたほど多くを学べなかったと感じているなら、それはジョシーのせいではなく、私の方に学ぶ準備が出来ていなかったという事だ。もしも、私が本当に学びたいのなら、私は降参し、コップの水を全部投げ捨てて、すっかり空っぽにするしかないのだった。

 こうして、なんとか気持ちを落ち着けながら、粛々と暮らしていた私に、さらに追い打ちをかけるように、衝撃的な知らせがやってきた。
 まさかの離婚である。
 以前から夫婦の仲があまりうまく行っていないのは察知していたし、実際ジョシーと生活してみると、事故後のケアの大変さを身にしみて感じていた。実は帰国してすぐに奥さんの方から、しばらくは別居したいと思っていると打ち明けられていたのだ。しかし、こんなにあっという間に離婚という展開になるとは思わなかった。ジョシーは奥さんの実家に同居していたから、離婚してしまえば住む家はなく、当面は日本に帰ってくる目処は立たないということだ。 
 さすがにこれはショックだった。いきなりボディブローを浴びせられた感じ。

 さて、どうしよう?どう考えたって、ここできっぱり彼とのレッスンを断ち切る決意がつかなかった。ケーララを再び訪れたいという病は、心の底でくすぶり続けていた。いつ帰ってくるかも分からない師を、さらに静かに待ち続けるほど肝は坐ってない。やれることは何か、インドに再び行くしかない!

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 とは言っても、2回連続して長期で家を空けることはかなり無謀な事であるのは、十分覚悟はしていた。しかし本当にありがたいことに夫が承知してくれた。
私が今回のインド滞在での経験を納得しきれずにいるのを、そばで見ていたのだろう。私の心はまだインドへと乖離していた。東京での生活はよそよそしく、せっかくヨガの知恵を学んでも、自分の現実に調和させることができなかった。
「どうせ東京に居たって大した仕事なんかないんだから、好きなだけ行ってくればいいじゃん」と、まあいつもの辛辣な物言いなのだが。それでも、行くことを許してくれたのは本当にうれしかった。

 待つことをやめて、ありったけの金をかき集め、再びインド行きの準備を始める。前回の失敗を踏まえて、虫と暑さ対策のあれこれはしっかり用意する。薄くて肌に密着せず、下半身を覆うパンツ。とにかく足元を蚊に狙われるので、寒さ対策ではなくて虫除けにと、ヨガ用靴下もゲットする。ストリクトな自然派のジョシー先生には絶対怒られるとは思ったが、強力な虫さされ薬と、どこでもベープはカバンの中にしっかり忍ばせておいた。(どれもかなり役立った。)高野豆腐やそば、醤油も買い込んだ。
 しかし何よりも一番心したのは、カバンに荷物は詰めるが、心には荷物は詰めないということであった。どんな事が起こっても、たとえ何も起こらなくても、また毎日買い物しに近所の町に出かけるだけの毎日だとしても、何も言うまい。私はただ手放しで受け入れるしかないのだ。もう、待つのはうんざりだ。それに比べれば、ケーララへ行き、師匠のそばに黙って座れるだけで充分ではないか。

 出発直前、またOSHOの本の中から素敵な言葉を見つけた。
「生とは、考えることとは何の関係もない。あなたその中にただ飛び込むだけだ。そこに飛び込んだ時にはじめて知ることができるだろう。生を知るすべは他にはない。それについて考えることは、それを逸してしまう最も確実な方法だ。」
 私はこの言葉を旅行用に買ったノートの最初のページに書き込んでみた。
 
 怒涛のヨガ合宿第2ラウンド、いざ、行ってまいります! 
by umiyuri21 | 2014-05-09 20:32 | ヨガ滞在記


旅とヨガとイラストレーション。世界と身体と脳内をめぐる旅。


by 若山ゆりこ

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