インディアン・ヨガライフ 第2ラウンド〜Vol.5
インディアン・ヨガライフ 第1ラウンドはこちらから
第2ラウンドはこちらから
「合宿アゲイン!」
再び村の家でのヨガ合宿がスタートした。
何もかも手探り状態だった去年とは違い、すでに基本的な生活のあれこれは勝手が分かっていたので、心に随分と余裕が生まれていた。11月半ばのケーララの気候は朝晩は過ごしやすく、今年はモンスーンにたっぷり雨が降ったということで、井戸の水もなみなみと澄んでいた。最近大々的に庭の掃除をしたらしく、草木は刈り込まれ、そのせいなのか去年よりは蚊が少ない気がする。いや、私の身体が順応したのか?
持っていったどこでもベープをいざという時には活用し、蚊に刺されにくい服を着ていた事にも助けられ、去年は虫刺されでボコボコになった足は、今年は被害激減であった。
「血が綺麗になったら虫には刺されなくなる。刺されるのは体の中が汚いから」とジョシーにいつも言われていたが。1年半に及ぶヨガ生活がやっと効が奏してきたのだろうか。
朝は鳥のさえずりで目覚め、木々の隙間から溢れる朝日を拝みながらヨガをし、夜は虫の声を聞きながら眠る。空気は緑をたっぷり含んでみずみずしく、改装したシャワールームから椰子の木陰が見える。緑を眺めながら浴びる水シャワーも最高だ。
大いに悩まされのは、アリの猛攻撃であった。去年はそれほどひどくはなかったのだが、雨が多かったせいなのだろうか?とにかく、想像を絶していた。食材を入れたストッカーの蓋をうっかりゆるめて、食い荒らされるのは予想内だったけど、アリが服を食い散らかすなんて今まで知らなかった!
奴らは油脂を含んだものが好物らしいのである、プリントTシャツの染料に集まってきて、点々と穴を空けるのだ。そして女子の洗濯前のパンツも格好の標的にされる。うっかり一日洗い忘れてしまったら、次の日には穴ぼこだらけになっていた...。
危険そうな物をフリーザーパックに入れてぴっちり蓋を閉めても、ビニール袋が美味しいらしい。簡単に食い散らかされる。使い捨てコンタクトレンズのパッケージの隙間にも入り込んでくる。
忘れられないのは、ある夜ふと天井を見ると、一角に大きな黒いシミが出来ている。ん?あんな所に染みあったっけ?と近づくとそれは一面の黒アリの大群であった。何なんだこれは???うっかり悲鳴など上げると叱られるので、クラクラしながらどうするべきか考える。彼らが大群で現れるときには何か近くに、彼らの好物があるはずなのだ。ふと床を見ると、一匹の甲虫の死体。もしやこれ?と、掃き取って庭に投げ捨てると、またたく間に黒アリは天井の隙間に消えていった。ってことは家の中にこれだけのアリが住み込んでいるってことか。怖ろしすぎる、熱帯のアリ....
やること言えば、去年と全く変わらない。朝起き抜けに、水を飲んで吐き出すクンジャラ・クリヤーを行った後、玄関や部屋の中をホウキで掃く。それからヨガのレッスンを1時間半ほどやってから、朝ごはん。洗濯などの家の雑用を済ませたら、(うっかりアリに食材を荒らされることも多く、無駄な時間が取られるのだ。)だいたいバスに乗ってマーケットのあるチャンガナチェリーまで行く、そこでランチを食べて必要な食材を買い込んで夕方のバスで帰宅。シャワーを浴びて汗を流し、夕方のヨガレッスンをしたら、もう夕食の時間。片付けが済んだら一日の日記を書きつける。それで一日がおしまいだ。何もしていないようで、結構忙しいのである。
私が多くを期待する心を手放してあくせくしなくなったせいか、ジョシー先生も去年よりずっと機嫌が良くておおらかだ。食器をうっかりガチャンと置いたり、食事をよそう途中にぽたりとこぼしたり、今までなら罵声が飛んで来るだろうと、思わず身をすくめる場面も「やれやれ、君は時々本当に不注意だねえ」と笑ってスルー。おおお!どうなってるんだ?
不便で単調な日々だったが心は満ち足りていた。携帯もネットもない、欲しいものはすぐには手に入らない、オート・リキシャー一台捕まえるのに30分歩く。雨が降ると電気が止まる。東京にあるもの全てがケーララにはない。しかし、東京にないもの全てがケーララの生活にはあった。豊かな自然と、きれいな空気、水、ゆっくりした時間...そう思えば多少の手間も思い通りにいかないことも、気にならなかった。
詰まるところ、不便な生活にも人は慣れるもので、物事をエンジョイできるかどうかは、心一つで変わるのだ。
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「合宿アゲイン!」
再び村の家でのヨガ合宿がスタートした。
何もかも手探り状態だった去年とは違い、すでに基本的な生活のあれこれは勝手が分かっていたので、心に随分と余裕が生まれていた。11月半ばのケーララの気候は朝晩は過ごしやすく、今年はモンスーンにたっぷり雨が降ったということで、井戸の水もなみなみと澄んでいた。最近大々的に庭の掃除をしたらしく、草木は刈り込まれ、そのせいなのか去年よりは蚊が少ない気がする。いや、私の身体が順応したのか?
持っていったどこでもベープをいざという時には活用し、蚊に刺されにくい服を着ていた事にも助けられ、去年は虫刺されでボコボコになった足は、今年は被害激減であった。
「血が綺麗になったら虫には刺されなくなる。刺されるのは体の中が汚いから」とジョシーにいつも言われていたが。1年半に及ぶヨガ生活がやっと効が奏してきたのだろうか。
朝は鳥のさえずりで目覚め、木々の隙間から溢れる朝日を拝みながらヨガをし、夜は虫の声を聞きながら眠る。空気は緑をたっぷり含んでみずみずしく、改装したシャワールームから椰子の木陰が見える。緑を眺めながら浴びる水シャワーも最高だ。
大いに悩まされのは、アリの猛攻撃であった。去年はそれほどひどくはなかったのだが、雨が多かったせいなのだろうか?とにかく、想像を絶していた。食材を入れたストッカーの蓋をうっかりゆるめて、食い荒らされるのは予想内だったけど、アリが服を食い散らかすなんて今まで知らなかった!
奴らは油脂を含んだものが好物らしいのである、プリントTシャツの染料に集まってきて、点々と穴を空けるのだ。そして女子の洗濯前のパンツも格好の標的にされる。うっかり一日洗い忘れてしまったら、次の日には穴ぼこだらけになっていた...。
危険そうな物をフリーザーパックに入れてぴっちり蓋を閉めても、ビニール袋が美味しいらしい。簡単に食い散らかされる。使い捨てコンタクトレンズのパッケージの隙間にも入り込んでくる。
忘れられないのは、ある夜ふと天井を見ると、一角に大きな黒いシミが出来ている。ん?あんな所に染みあったっけ?と近づくとそれは一面の黒アリの大群であった。何なんだこれは???うっかり悲鳴など上げると叱られるので、クラクラしながらどうするべきか考える。彼らが大群で現れるときには何か近くに、彼らの好物があるはずなのだ。ふと床を見ると、一匹の甲虫の死体。もしやこれ?と、掃き取って庭に投げ捨てると、またたく間に黒アリは天井の隙間に消えていった。ってことは家の中にこれだけのアリが住み込んでいるってことか。怖ろしすぎる、熱帯のアリ....
やること言えば、去年と全く変わらない。朝起き抜けに、水を飲んで吐き出すクンジャラ・クリヤーを行った後、玄関や部屋の中をホウキで掃く。それからヨガのレッスンを1時間半ほどやってから、朝ごはん。洗濯などの家の雑用を済ませたら、(うっかりアリに食材を荒らされることも多く、無駄な時間が取られるのだ。)だいたいバスに乗ってマーケットのあるチャンガナチェリーまで行く、そこでランチを食べて必要な食材を買い込んで夕方のバスで帰宅。シャワーを浴びて汗を流し、夕方のヨガレッスンをしたら、もう夕食の時間。片付けが済んだら一日の日記を書きつける。それで一日がおしまいだ。何もしていないようで、結構忙しいのである。
私が多くを期待する心を手放してあくせくしなくなったせいか、ジョシー先生も去年よりずっと機嫌が良くておおらかだ。食器をうっかりガチャンと置いたり、食事をよそう途中にぽたりとこぼしたり、今までなら罵声が飛んで来るだろうと、思わず身をすくめる場面も「やれやれ、君は時々本当に不注意だねえ」と笑ってスルー。おおお!どうなってるんだ?
不便で単調な日々だったが心は満ち足りていた。携帯もネットもない、欲しいものはすぐには手に入らない、オート・リキシャー一台捕まえるのに30分歩く。雨が降ると電気が止まる。東京にあるもの全てがケーララにはない。しかし、東京にないもの全てがケーララの生活にはあった。豊かな自然と、きれいな空気、水、ゆっくりした時間...そう思えば多少の手間も思い通りにいかないことも、気にならなかった。
詰まるところ、不便な生活にも人は慣れるもので、物事をエンジョイできるかどうかは、心一つで変わるのだ。
by umiyuri21
| 2014-05-11 23:03
| ヨガ滞在記
瞑想やヨガ、インド占星術、創作活動、日々の暮らしや旅など、色々綴っております。基本的に長文です。
by Yuriko
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