インディアン・ヨガライフ 第2ラウンド〜Vol.8

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 「ナチュラル・ヒーリング」

 
 こんな風にして、去年と変わらぬ暮らしを淡々と送りつつ、ヨガのレッスンもそれなりに進展があり。最初の一ヶ月はまたたく間に過ぎていった。
 大きな気がかりは、なかなか治る気配のないジョシーの傷であった。
 彼の性格上、絶対に痛いとは言わないのだが、黒ずんだ皮膚が乾いてかさぶたのように覆い、その下で傷が深く膿んでいるのが見て取れる。
 本当に抗生物質入の塗り薬をベタベタと塗りたくりたい気分なのだが、彼は絶対承知しない。唯一、妹からもらったという特別処方のアーユルヴェーダのオイルだけが頼みの綱。とりあえず、毎朝患部にこれを塗布しながら、マッサージをするのが習慣になっていた。

 実は数年前に、私は3ヶ月ほどエネルギー・ワークのWSを受けたことがあり、ごくごく基本的なハンドヒーリングの知識があった。何もしないよりはマシだろうと、オイルを塗りながら、足裏から「気」を入れていく。アーユルヴェーダのオイルと、素人のハンドヒーリング...こんな心もとない手当でしつこい化膿が治るとは思えない。放っておいて、化膿が骨や神経に及んでしまったらどうなるのか。
 
 とにかく一度、医者に診てもらってくれと頼みに頼んで、ようやっと、バスで2時間半ほどの山の中にある、自然療法のクリニックに足を運ぶことを承知させた。
 ジョシーが交通事故に遭って、日本で大方の治療を終えたあと、さらにインドへ戻って一ヶ月ほど滞在してお世話になったクリニックである。その時担当してくれた女医さんに連絡をして、アポイントメントを取り付ける。
 
 そこはキリスト教系のクリニックで、アーユルヴェーダを中心とする自然療法を全般を扱っている。敷地は広々としていて、建物も質素ではあるが、綺麗に保っている。しかしいつ行ってもあまり人の居る気配がない。まあ、修道院が運営しているので営利目的の施設ではないからだろう。
 早起きして、満員バスに揺られようやく辿り着き、やれやれこれで少しは回復への道が開けるかと安堵したのもつかの間....
入り口のベルを鳴らすと使用人の女性が顔を出す。

「ドクター・ジョーティーはいますか?11時にアポイントしてるんです。」
「はあ、ドクターは今日は居ませんよ、出なおして来て下さい。」

 c0010791_215018100.jpg なんと!!なんとインド的展開であろうか。

 っていうか、ちゃんと約束してるんだから、ドクターの携帯に連絡して確認してくれてもいいんじゃない?と、ジョシーに問いかけると
「無駄だよ、彼らはそういう権限はないんだよ。」
と、ハナから医者に行くつもりがなかったので、全然やる気なし。

 
 私が携帯を持っていたら、こっちからドクターに連絡を入れれば確認は取れるのだが、携帯嫌いのジョシー先生は絶対に現地携帯を持たせてくれない。(これでどれほど無駄で、手間のかかることが多かったことか...)

 すっかり脱力して、しばし受付の椅子に座り込んでいると、以前ジョシーの足のマッサージを担当してくれたセラピストが、通りかかった。彼に足を見せ、窮状を訴える。しかし外傷だからであろうか、彼も全く心配する様子がない。
「ああ、こういう時は、ターメリックとニームと、トゥルシーの葉でペーストを作ってそれを患部に塗るといいよ。それから朝と夕方の太陽の光に当てるのもいい、どっちも殺菌効果があるからね。」とのこと。
 まじで、そんなんでいいんですか?確かにホントのナチュラル・ヒーリングだけど....せっかくここまで来たんだから薬の一つでも処方して欲しかったよ。日本なら一度病院に足を運べば、山のような薬を処方してくれるのと正反対。金は払うから薬をくれ!本当に大丈夫なのかこの傷は....?

 しかしともかく、殺菌効果のある治療法を教授してもらった訳で、早速これを実行してみたい。が、ここに難関が....
「トゥルシーやニームと言ったって、ちゃんと100%ピュアでオーガニックな薬草じゃないと私は使わない。」
 
 出た!ジョシー先生のオーガニック病...。うん、そう言うと思ったよ、絶対。
「大丈夫、薬草は必要だったら手に入る。だから心配しないで。」
 そう淡々と言いつつ、真面目に薬草をゲットする意思が全くない。無理やり市場に探しに行っても「こういう所では買いたくない」と言う。時々会う人に尋ねてみるが「誰かの庭に生えてるんじゃない?」と軽く流されるだけである。あ〜あ。
 
「お願いだから、何か殺菌効果のある薬を使って欲しい。」と半ば泣き落とししながら、頼み込むと、ギョロリとデカイ目で睨まれて凄まれた。
「あなたには私の事は分からないよ。いいかい?この足は以前はもっとひどかったんだよ。医者はこの足を切断しようとしたんだ、だから医者の言うことを聞いたら、この足は今頃ゴミ箱に行ってたってことさ。
 私は神様と繋がってヨガの知恵で歩けるようにしたんだ。そうじゃなかったら、車椅子に乗ってたんだ。だからどうか私を信頼して欲しい、この足は100%治る。それは間違いない。」
 
 分かりました...そう言われれば返す言葉もありません。
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by umiyuri21 | 2014-05-14 21:54 | ヨガ滞在記


旅とヨガとイラストレーション。世界と身体と脳内をめぐる旅。


by 若山ゆりこ

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