インディアン・ヨガライフ 第2ラウンド~Vol.17

インディアン・ヨガライフ 第1ラウンドはこちらから
第2ラウンドのVol.1はこちらから
c0010791_22112659.jpg


「 治療開始!」
 
 夕方、プラデープがマーケットに薬を買いに行くというので、一緒に付いていった。彼らの家の前は運河になっており、運河沿いに少し歩くと大きなマンコンプ川に出る。マーケットは川向うにあり、対岸へ行くためには渡し船を使う。渡し船はこのバック・ウォーター地域では現役バリバリのなくてはならない交通機関だ。
 2艘の船が代わる代わる客を乗せて、ゆるゆる両岸を行き交う。片道2ルピー。50ルピー払えば、個人チャーターもできて川から運河を通って家の前まで付けてくれるらしい。
 
 対岸はアレッピーとチャンガナチェリーをつなぐ幹線道路になっており、バスはいくらでも通る。道沿いに大きくはないが生活の必需品はひと通り揃うマーケットもある。プラデープの従兄弟が経営しているネットショップもあり、ネットチェックやバスの予約、フォトコピーやCDRも作ってくれる。家からここまで徒歩と船で30分位。ノース・ヴェリヤナード村はマーケットのある町まで、一日数本のバスに乗って50分だから、比べるとだいぶ便利で住みやすい。

 c0010791_22192388.jpgアーユルヴェダ専門の薬屋と薬草店に立ち寄り、オイルやハーブを沢山買い込む。ケーララでは小さな町のマーケットにも必ず、こうしたアーユルヴェーダのオイルを売る薬局や、治療に使用するハーブやスパイスを売る店があるのだ。
 
 ちなみに隣のタミル・ナードゥ州に行くとこうしたお店はほとんど見かけなくなるので、インドの中でもケーララは特にアーユルヴェーダの治療が日常に根付いている場所なのだろう。
 彼は目が悪くて困っている私のためにも、目のトラブルに効く点鼻用のナスヤ・オイルとヘッド・マッサージ用のオイルを、これから毎日使うようにと処方してくれた。
 
 さて、明日からどんな治療が始まるのだろう....

翌朝から治療が始まった。第1回目はちょっと遠慮をしてトリートメントルームの中には入らなかったのだが、出てきたジョシーは満面の笑顔で、「すごいよ、かさぶたみたいなのが、綺麗に剥がれた!」とうれしそう。翌日からはプラデープに頼んで、治療の現場を見せてもらうことにした。
 「ヒーリングはすごくデリケートなもので、普通は他人は入れないんだよ。興味本位で見られるとそれだけでエネルギーが下がるから。あなたは彼の弟子だから問題ないけどね。」

 まず、マーシャルアーツ・オイルと呼ばれる外傷に効くオイルで右足全体をマッサージしてから、ダーラと呼ばれる治療を始める。ダーラとは、あのシロー・ダーラのダーラで「流す」という意味。薬草類を煮だしたお湯をポットに入れ、注ぐ時の高さで水圧を調整しながら、患部に付着した余分な皮膚や膿を洗い流してゆく。決して無理に手を加えることなく、水圧の加減とお湯の温度とのコンビネーションで、自然に皮膚が剥がれるのを促す。
 これが本当に魔法のようにぽろぽろっと古い皮膚が剥がれてゆくのだ。

  「彼らは役目を終えたから、自然に剥がれ落ちただけ。(剥がれない部分を指さして)こいつはまだまだ役目があるらしいから、剥がれないね。」
 つい3日前まではボロボロゴワゴワの足だったのに、びっくりするくらい綺麗になっている。
  「私は何もしていない、身体が自然に治ってゆくその手伝いをしているだけなんだ。」
 昨日と今日で、患部に溜まっていた膿も大分洗い流された。ぱかっと穴の開いた傷口が痛々しいが、今までかさぶたに覆われて見えなかった傷の全貌が明らかになって、この穴がふさがってくれれば治るんだなあという、希望が見えてきた。
傷口を洗い流した後、ギーをベースにした殺菌効果のある軟膏を塗り、包帯をする。
その後は痛めた指にもオイル・マッサージをして、お湯で温める。
 これで午前中の治療はおしまい。

c0010791_22113845.jpg


 夕方、今度はスモークの治療をする。鍋にココナッツの殻、その他の薬草をいれて燻し、患部に熱と煙を当てる。この煙に殺菌効果があって、化膿に効くらしい。部屋中煙だらけで目が痛い。なんとも野性味溢れる治療であるが、植物の豊富なケーララならではって感じ。再度軟膏を塗って包帯を巻く。
 この治療を毎日地道に繰り返してゆく。
「触ってみたけど、傷は骨や神経までには達してないから、2,3週間もすれば治るんじゃないかな。」
「アーユルヴェーダの治療は効果が遅いと思われているけど、そんなことないよ。シンプルで効果だって早い。」
と、プラデープ。
「いやあ、これは本当に気持ちいいよ。」 
ジョシー先生もアーユルヴェーダなら自分の考えに反しないのか、今回の治療に関しては文句も言わずに素直に喜び、心地良さそう。そうだろうよ、やっぱり傷、痛かったんだろうなあ。

 人生何が起こるか分からない。弟が泥酔して暴れてくれたおかげで、思わぬ展開で傷の治療が始まったのだ。
by umiyuri21 | 2014-05-25 22:12 | ヨガ滞在記


旅とヨガとイラストレーション。世界と身体と脳内をめぐる旅。


by 若山ゆりこ

プロフィールを見る
更新通知を受け取る

S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

カテゴリ

全体
ヨガ
ヨガ滞在記
仕事
オリジナル雑貨
ベリーダンス
アート
音楽
映画
旅行
BOOKS
日々の暮らし
美容
スウィート・モロッコ
未分類

最新の記事

何があっても大丈夫
at 2018-12-31 17:20
冬至の日に、一年を振り返る
at 2018-12-22 21:48
瞑想からサレンダーへ
at 2018-12-13 00:33
一番小さい百合
at 2018-12-03 09:50
2019年のユニークな手帳
at 2018-12-01 21:28
New Year スペシャル..
at 2018-11-20 19:17
静かな部屋で
at 2018-11-13 11:33
ヨガの新クラス&WSのお知らせ
at 2018-10-26 23:06
今日は引っ越し
at 2018-10-09 12:30
墓参り
at 2018-10-02 23:42

以前の記事

2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
more...

twitter

記事ランキング

ブログジャンル

海外生活
スピリチュアル

その他のジャンル