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インディアン・ヨガライフ 第2ラウンド~Vol.31 バック・トゥ・ケーララ

「この星の中で人間だけが2本の足で立っている。2本の足で頭を上にして、ウロウロ歩いてあれをやろうこれをやろうと、無駄なエネルギーを使っている。だからこそ人間は坐って瞑想する必要があるんだよ。」(ジョシー)

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 聖山アルナーチャラの周囲13.5キロを巡礼して歩くことを、ギリプラダクシナといい、願望成就と厄落としの効果があるらしい。ラマナ・マハルシも元気な頃は毎日のように、この丘の周りを歩いていたという。特に満月の夜には、インド中から巡礼者が集い、道には屋台が並びお祭りのような賑いを見せていた。
 3月の満月は北インドではホーリーに当たり、暑さが本格的に訪れる季節でもある。長期滞在の旅人たちもこの満月を堺に、涼しいリシュケシュやダラムサラへと移動していくらしい。
 いつの間にか、私のインドでの日々も残り2週間近くになっていた。名残惜しいがぼちぼちケーララに帰らねばならない。酒飲みの弟は相変わらず、ノース・ヴェリヤナードの家に居るようだが、随分と長く家出をしているちに、もう帰ってもいいかな、と思えてきた。ジョシーも同じ気持らしく「家に帰ろうか。」と言い出した。
 ティルバンナマライにいる間はアーサナが全く出来なかったので、身体が硬くなっていた。帰国する前に色々おさらいして、体調も整えておきたい。お土産も買わなければ。

 ということで、帰りのバスチケットを探しに行く。夜行バスを扱っている代理店は意外と少なく、何件か回って行きと同じバスのチケットを見つけて、2日後の予約を取った。現地の携帯電話がないとチケットが予約できないと言われが、持ってないと頑張ると、店の人が自分の携帯で予約してくれた。ホッと一安心、だがバスに乗る場所が今ひとつ分からないのが不安だ。分からなきゃ携帯で聞いてくれよってことなんだろうけど。
 いよいよティルバンナマライともお別れ、通いつめたラマナ・アシュラムでの時間もあとわずかだ。
 夕方アシュラムに出かけると、Aさんが私達を待っていた。「待ってたんですよ、何となくもう一回ヒーリングしたほうがいいと思ったんです。ちょっと無理したんじゃないかしら?」
「そうなんです。実は、ビルパクシャ洞窟に行ったのがちょっと大変だったみたいで、あの後お腹を壊しちゃったんですよね。」
「まあ、この場所は何かと浄化作用がありますからねえ。無理するのはいいんですよ。でもその分ケアしてあげないと...。」
 
 師匠の足の傷は治りそうで、今一歩の所で治りきらない。ここ数日はの乾燥気候にやられてまた足の皮がゴワゴワしかけていたのだった。持参してきたオイルを塗った方がいいのでは、と言ってみるものの、シーツに付くからとか何とかと面倒くさがって、つい後回しにしてしまう。 
「ちゃんとオイルを塗ってケアしてあげて下さいね。身体は物質ですから、物質のケアは物質でしないとダメなんですよ。その辺、あまり構わなかった所があったと思うんですが、もう少し身体に対して優しい道を選んだ方が良いんじゃないかしら。それだけ言っておきたかったんです。」
「きっと、すごくご自分に厳しくて、妥協しない所がありますよね。それはスタート地点としてはとても素晴らしいのですが、まっすぐやりすぎて衝突してしまうこともありましたよね、これからは、そこを気をつけてやって下さいね。」
 と、またまた鋭すぎるご指摘、ジョシー先生完全に読まれてるじゃん!今回の傷だってヨガの力で何とかする!ってずっと頑張ってたけど。プラデープにダーラをやってもらって劇的に回復した訳だし....

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 私は先日彼女に言われた事で、ずっと心に残っていた疑問を、思い切って口に出してみた。
「先日、お金や効率を主体にしているのとは、別な世界があるとおっしゃってましたよね。それは分かっていますが、いざ東京に戻ればまた今まで通りのお金や効率を主体とした世界があるわけで、その折り合いはどうつけていったらいいのでしょうか?」
「あなたがどう折り合いをつけてゆくか、色々試行錯誤しながら答えを出してゆく、そのプロセスが学びだと思えばいいじゃないですか。何度も言うようだけど、焦る必要はないんですよ、神様は気長に待っててくれますからね。」
 そうなんだなあ、何事もバランスが大事なんだ。精神と物質。生きるにはどっちも大切だ。人間はつい、片方が大切だと思い始めると、もう片方を蔑ろにしてしまいがちだ。スピリチュアルが大切だと言えば、マテリアリストは自分を否定されたように感じて反発するし、その逆もしかり。でも、本当はバランスなのだよね。自分で一番しっくりするバランスどころを見つけてゆく、どこかにたどり着くのが目的なのではなく、そのプロセスそのものが人生なのかもしれない。
 今回はAさんに本当に色々深いお言葉をいただいた。不思議な出会いに感謝し、いつかアシュラムか日本で再会できることを願って、お礼とお別れを言う。

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毎夕方、サマーディーホールで行われるチャンティングにも最後に参加する。明日の今頃はちょうどヴェロールでケーララ行きの夜行バスを待っていることだろう。
 ここで歌われるレパートリーの中でもとりわけ印象的だったのは「アルナーチャラ・アクシャラ・マナ・マリ」という歌であった。ラマナ・マハリシがアルナーチャラへの熱烈な思いを込めた讃歌なのだが、タミル語歌詞の部分は全く分からないなりにも、各詩節の最後に何度もリフレインされる「アルナーチャラ・シヴァ、アルナーチャラ・シヴァ」というフレーズが何とも不思議に胸に刺さるのだった。
 ホールに集まった人々と共に「アルナーチャラ・シヴァ」と大合唱していると、始めてこの場所に足を踏み入れた時の感動が蘇ってきて、つい涙ぐんでしまう。
 ここにはまた必ず来なければ、と心に誓い、どうかまた呼んで下さいね、とマハルシの墓石に祈った。 

ただ、今に心を留めて、ここに根を下ろして静かに坐ること。それがどんなにパワフルな事であるか、私はこの場所で始めて実感できた気がする。
 そう、私は何処へも行く必要がないのだ。今ここ以外に私の行くべき場所はない。地球の何処を探してもなく、過去にも未来にもそれはない。それがマハルシのエネルギーが沈黙を通して私に伝えてくれた事だった。
 私はジョシーにそう気がついたと、話してみた。
「そうだよ、それを言っても理解できない人も多いんだけど。でもあなたは、今日分かったはず。少し静かに坐っていた。」
 と、珍しく褒めてくれた。

 明日はいよいよバック・トゥ・ケーララ!
by umiyuri21 | 2014-07-22 22:19 | ヨガ滞在記


日々の暮らし、旅やアート、ヨガなどについて綴っております。


by 若山ゆりこ

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