インディアン・ヨガライフ 第2ラウンド~Vol.32 

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「再びヴィレッジ・ライフ」

ティルバンナマライでの最終日、朝起きて荷物を片付けて最後のラフターヨガのクラスに出かける。
 しかし暑い!1週間前は快適に過ごせた屋上スペースも、朝からもわ~と生ぬるい空気。暑くてみんなのテンションも低めかも。インストラクターのメガナンダちゃんとハレルヤババ、そしていつもの常連メンバーに別れを告げ、ティルバンナマライでの再会を誓う。ここで笑った日々も思いがけなく楽しかったなあ、素敵な出会いだった。
 一旦ホテルに戻ってチェックアウトして、お昼を食べにアシュラムの向かいにある南インド料理のレストランに入った。エアコンの効いたインドの中級レストランなのだが、昼のミールスが100ルピーでかなりゴージャスだったので、時折通っていた店だ。中に入ると、ハレルヤババとメガナンダちゃん、その友人が坐ってた。
 「ぴったりのタイミングで、ぴったりの人が現れた。席もちょうどある。」とハレルヤババが笑う。彼らはちょうど6人がけのテーブルに坐っていた。喜んでご一緒させてもらう。これからリシュケシュに向かうという彼らは、向こうの宿や見どころなどの情報交換をしている。リシュケシュはインドでのヨガ修行の中心地なわけで、かなり賑やかになってしまったとはいえ、いつかは行ってみたいなあと思う。
 
 若い頃からヨガや瞑想などのスピリチュアルなプラクティスに目覚め、食事にも気を使っているハレルヤババは、ジョシーの生き様に共感する所が多く、言葉を超えた所で意気投合したみたいだった。彼らはいつかジョシーの家を訪ねたいって言ってたけど、実現したら楽しそう。
 食事後、彼らに再び別れを告げ、最後にアシュラムへ向かった。
 午後のアシュラムは、熱気を含んだ空気に包まれていて、お腹が一杯なこともあり、なかなか瞑想モードには入れない。それでも、ただサマディーホールに坐って、静かに時間を過ごす。
 Aさんとも最後に顔を合わせる事ができた。
「私も今回はいつもと違った感じの滞在で楽しかったですよ、あなた達はちょっと変わった雰囲気だから。私も何となく、そろそろ卒業ですとバガヴァーンに言われたみたいです。」と笑った。

 いよいよアシュラムを出て、オートに乗り、バスターミナルへ着く。ヴェロール行きのローカルバスに乗り込むと、あっという間に車はティルバンナマライを離れていく。さよなら、アルナーチャラ再び会いましょう。

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 ヴェロールまでは難なく着いたが、そこから長距離バスに乗るのが大変だった。もらったチケットにはバスターミナルの近くのビルの名前が書いてあるだけで、乗り場の住所も何も記述がない。それでもジョシー先生がタミル語が話せるので、人々は親切にあっちの方だ、こっちの方だ、と教えてくれる。
 しかし師匠は多言語を操れるがゆえに、疲れると切り替えが上手くいかなくなるらしく、私にタミル語で話しかけて、相手に日本語で話しかけてみたりだんだん漫才みたいになってくる。「ジョシーさん今日本語になってる、タミル語で話して!!」と私が頼んでも自分が何語で話しているか意識できないみたい。まあ、普段は英語とマラーヤラム語で考え、私とは日本語で会話し、それにタミル語が加わるとさすがに混乱してくるんだろうなあ。話す相手を間違えても、ちゃんと言葉のスイッチングが出来るのは凄いと思うけど。
 
 結構ウロウロ歩きまわり、オートが乗り場まで乗せて行ってくれると言っても、料金交渉で決裂し、1時間ぐらい探しまわって、やっとバス乗り場まで辿り着いた。うん、これでもう次回は大丈夫だ、と心の中でもう次に来る時の事を考えていた。
 午後9時過ぎに、1時間遅れで現れたバスに乗り込むと、車は一路ケーララへ向かう。翌朝には、窓の外は見慣れた椰子と緑のジャングルが続く風景に変わっていた。
 お昼前にチャンガナチェリーに着き、行きつけのレストランでドーサを食して、ーーとに乗ってノース・ヴェリヤナード村の家に到着した。1ヶ月半ぶりにこの家に戻って来たのだった。
 
 弟はまだ家にいて、何事もなかったかのように我々を迎え入れてくれた。少しは反省したのか、我を忘れるほど深酒している気配はなさそう。 
 インドでの時間は残す所あと2週間。ケーララでのヴィレッジ・ライフが再び始まった。時は3月半ば、乾燥&灼熱のタミル・ナードゥとは違って、ケーララはとにかく蒸し暑い。ちょっと動くだけで汗だくだ。長い間雨が降っていないので、井戸の水も茶色に濁り始めていた。水のフィルターの掃除を頼まねばなるまい。去年もこんな感じで、茶色い水で洗濯し続けていたので、洗濯物がみんなくすんだ色になっちゃったんだよなあ。
 結局2週間、全くアーサナをやっていなかった。久々にヨガのレッスンを再開するとすっかり身体が硬くなっている。「姿勢も悪くなってる、せっかく教えたのにちゃんとやってないじゃないか!」とジョシー先生にダメ出し。ああ、ヨガの道は厳しいなあ。

 荷物を置きっぱなしにしているプラデープの家にも連絡をした。彼もハリドワールへの旅を終えて、モンコンプに戻って来ていた。
「何度か家に連絡したけど、留守だったからどうしたかと思ったよ。今ゲストが沢山来ているんだけど、良かったら遊びにおいでよ。」
翌日早速出かけてみると、ムンバイからトリートメントを受けに来たビジネスマンの父と息子。ラージさんの友人でカルカッタで、ハイアット・ホテルのヘッド・マネージャーをしているというキャリア・ウーマンな女性とその2人の子供とそのお母さん、と随分賑やかだ。
 友人からの紹介で、プラデープにアーユルヴェーダのトリートメントとヨガのレッスンを受けに来たというムンバイっ子のアシシュとプラデープはまたもや白熱したインド哲学談議を繰り広げていた。
 私が絵を描いていて、ムンバイにも何度か行ったことがあると知ると、おもむろに
「ムンバイを絵で表現するとどんな風に描く?」と尋ねられた。
「う~ん、アンバサダーのタクシーとかジュフ・ビーチの屋台とかボリウッドの看板とか、そういう物を描くかなあ。」とありきたりの答えをすると。
「僕は、ムンバイはエクストリームな女性として表現したいんだ。彼女は混乱を抱えている...」といきなり難しいことを語りだした。おお、こういう所がインド人ぽいよねえ。

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 ホテル業界で長いこと働いているという、ソーハナさんはボブカットで、タンクトップ姿に腕にはタトゥーが入っている。インド人女性の中でもかなり現代的な雰囲気。小さな子ども二人と足の悪い年老いたお母さん、4人を引き連れカルカッタからまる2日列車に乗ってここまで遊びにやって来た。子供が生まれる前は海外へ一人旅も結構していたんだとか。
「ぼちぼちカルカッタにも飽きたから、次はカナダあたりで働きたいのよ。」と語る、タフな女性だ。

 彼らと話していると、あっという間に時間が過ぎ、ぼちぼちお暇しようかと考えていると、空が急に暗くなってきた。雨が来そうだ。雷がゴロゴロと響き始めて、いきなりすごい豪雨になってしまった。
 プラデープとアシシュは喜び勇んで、庭先へ飛び出し雨のシャワーを気持ちよさそうに浴びる。嫌がるラージさんを引っ張って行って、水が激しくしたたり落ちる軒下へ連れて行ったり、大騒ぎだ。なんだかボリウッドのワンシーンを見ているみたい。
ぼんやり、眺めていると「雨をエンジョイしないの?」って言われた。そっかあ、雨をエンジョイねえ。さすがに着替え持ってきてないしなあ。

 かなり強い雨がしばらく振り続け、やがて小ぶりになった頃、散歩に出かけたままのアディティのお父さんが「いやいや何てこった」と帰ってきた。
「何度も電話したけど、誰も出ないじゃないか」といかにも生真面目なビジネスマンといった雰囲気の彼はちょっとムッとしている。そりゃそうだ、みんな雨の中大騒ぎしていたんだもの。
 アレッピーのビーチへ出かけていたソーハナさんも、「ひどい目に遭ったわ~」と言って戻ってきた。「ちょうど船に乗せてもらってる所で雨が降ってきて、めちゃくちゃ怖かったわよ。」

 いつもの例に漏れず、雨のせいで停電になってしまった。すると、アシシュが小さなスピーカーを持ってきて、ブルートゥールスでiphoneにつないで爆音で音楽をかけ始めた。やることがないので、部屋にみんな集まって、ダンス大会となる。
「あなたも、何かいい曲持ってない?」と聞かれたので、ボリウッドを何曲か選んでかけると「ボリウッドじゃなくて、トランスとかヒップホップないの!」と言われてしまった...
 ファンの効かない、薄暗く蒸し暑い部屋の中で、みんなで踊っていると、インド人ってどんな時も臨機応変に楽しめる人たちなんだなあと、感心してしまう。その瞬間に起こる事と一緒にダンスをし、エンジョイできる人たちなんだなあ、と。 
 だから私はインドに何度も来てしまうのかもしれないな。

 電気が来て灯りが点き、ファンが回り始めるとみんな大喜びでそれぞれの部屋に戻り、ダンス大会はお開きになった。私達も今夜も泊まっていくしかなさそうだ。
 久しぶりにラージさんが作るおかゆの夕食をいただいた。そうそう、このおかゆがずっと食べたかったんだよねえ。
 
 翌朝、オートにトランクを乗せてプラデープの家を後にした。帰国するまでにまた遊びに来るね、と告げて。やれやれ、長いことあっちに行ったり、こっちに行ったりしていた私の荷物、ようやく一箇所に集まった。
 こんな風にして、ケーララでの残りの時間がゆっくり過ぎてゆくだろうと思っていた。ところが最後のひと山、さらなる展開が私を待っていた。
 
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by umiyuri21 | 2014-07-23 22:03 | ヨガ滞在記


旅とヨガとイラストレーション。世界と身体と脳内をめぐる旅。


by 若山ゆりこ

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