存在の優しいタッチ

c0010791_2512154.jpg


ケーララに着きました。最終目的地までは明日、列車で移動。今日は駅の近くビジネスホテルのような宿に泊まっています。夕方雨が降ったのか涼しい。ルンピニの方がよっぽど暑かったです。この1ヶ月よく動きました。身体も壊さず元気に旅できた自分にお疲れ様と言いたい。

ちょうど2日前、ルンピニからカトマンドゥに真夜中着いた日、ヘトヘトになりつつメールを開くと、ティルバンナーマライとリシュケシュでサットサンに通っていた、スワミ・スワミアトマナンダのアシュラムからのニュースレターが届いていました。この手の一斉メールは通常は見ないでスルーしたり、後回しにすることが多いんだけど、何故か疲れているにもかかわらず、とっさに開いて読み始めました。

アシュラムからの今季のスケジュールの一番最後に、追悼文が寄せられていました。名前を見ると、いつもサットサンを切り盛りしていたジェームスという男性の突然の事故死を伝えるもの。彼のことはよく覚えていたので、びっくりしました。優しい物静かな物腰で、いつもそこにいる全ての人にオープンなエナジーを持っていたので、好感を持っていたのです。その後偶然彼が同じ宿に移動して来て、少し言葉を交わしたりもしました。でも別に大した事を話した訳じゃない、とげぬきを貸してあげたくらいかな。連絡先も交換していません。
でも、何故かずっと印象に残っていたのです。

あの人亡くなっちゃったんだ…信じられない。彼はアシュラムの皆んなに慕われていました。ボランティアでワンシーズンずっと、サットサンのオーガナイズをしていて、シーズンの最後に大きな花輪をスワミジから貰っていました。
私がダラムサラに発つとき、ハグして別れたのが最後。彼はインドを出たら、ポルトガルへ巡礼に行くと言ってたっけ。私と同じく仕事を一旦休止して、内なる探求の旅をしているようでした。

死は本当に突然訪れるんだな、とベッドに横たわってしばらく呆然としていました。ちょうど一瞬間違えば、事故って死んでもおかしくない道を旅して来たばかりだったので、尚更ズシンと響きました。
私は今生きている、でも確実に死に向かっている、死に向かいながら生かされている。

この身体は今日も生きてくれて、明日も多分目覚めてくれるだろう。でも、いつか確実に明日目覚めない日がやってくる。

敬愛するカナダ人の覚者である、ジョン・デ・ライターのとても好きな言葉があります。
「1日のうちにどんな小さなタッチの優しさがあれば、それはあなたをオープンしてくれる。どんなな小さな事でも、あなたにタッチすれば。
その小さな関わりは存在のレベルで起こっている、それはその人たちが別れた後もずっと続く。」

この言葉を聞いてから、私は人との関わりを以前とは違う風に捉えるようになりました。
それを深く理解して行くにつれて、名前のつけられる安定した関係性だけが大切だとは思わなくなりました。その出会いの、関わりの、繊細なレベルに開いていたいと思うようになりました。
それが継続するものでなくとも、一瞬で、表面上はほんのささやかなものでも、時に私たちの存在に触れるものになる。そういう関わりは時間も空間も越えて行くのです。

旅をしていると人との出会いも一期一会。継続的に関わりが続く人は決して多くはありません。どこか深いところで触れても、次の日には別れなければなりません。だからこそ、ほんの一瞬の存在の優しいタッチの温もりが心に残っていく。1人で旅をしていればこそ、そのタッチを敏感に感じられるし、それが、自分のハートをオープンしてくれる。

彼との関わりも自分にとって、そういうものだったと思います。

ご冥福をお祈りいたします。
by umiyuri21 | 2017-09-15 02:51 | ヨガ滞在記


旅とヨガとイラストレーション。世界と身体と脳内をめぐる旅。


by 若山ゆりこ

プロフィールを見る
更新通知を受け取る

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

カテゴリ

全体
ヨガ
ヨガ滞在記
仕事
オリジナル雑貨
ベリーダンス
アート
音楽
映画
旅行
BOOKS
日々の暮らし
美容
スウィート・モロッコ
瞑想
未分類

最新の記事

色を生きる
at 2019-03-13 13:20
3月 ヨガクラスの案内
at 2019-02-28 21:36
マントラの響き
at 2019-02-14 22:35
出会いの恩寵 その2
at 2019-02-07 17:19
出会いの恩寵 その1
at 2019-02-06 19:17
神宮前ヨガクラス リニューア..
at 2019-01-23 19:03
何があっても大丈夫
at 2018-12-31 17:20
冬至の日に、一年を振り返る
at 2018-12-22 21:48
瞑想からサレンダーへ
at 2018-12-13 00:33
一番小さい百合
at 2018-12-03 09:50

以前の記事

2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
more...

twitter

記事ランキング

ブログジャンル

海外生活
スピリチュアル

その他のジャンル