存在の耐えられない重さ

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アナディのリトリートでは、事前にスカイプのセッションがあって、個々に見合った課題が出される。今回の参加者は30人ほど、いつもより人数が少ないらしい。初参加は3人だけで、あとは古い生徒ばかり。新しい人がどんどん来て出たり入ったりするという雰囲気ではなさそう。やっぱりメソッドが特殊だからだろう。


リトリート中はサイレンスなので、それぞれがどういう練習をしているのかは分からない。朝と夜に1時間の瞑想、午前と午後に2時間づつの瞑想で一日計6時間。2時間の瞑想の間に歩行瞑想が20分。瞑想中はサイレンスの時もあるが、半分くらいはアナディのガイダンスやレクチャーが入る。アナディが来ないで生徒だけで瞑想する時もある。話の内容は時々分かるくらいで難解すぎて基本的に意味不明。ついていけない時は自分の練習をひたすらやる。


リトリート中に個人面談が2回あった。瞑想中にアシスタントの人がお知らせメモを置いて行く。指定の時間に面談用の小屋で待つ。そこで今の自分の進捗状況を説明しアドバイスをもらい、最後にエネルギーワークがあっておしまい。サットサンのような公の場で質疑応答するのではなく、生徒と先生の個人的な繋がりの中で、ティーチングが伝達される。

リトリートの10日間の滞在期間が終わったら一人でさっさと会場をチェックアウトして、外に出る。みんなはサイレンスのままさらに1ヶ月のリトリートが続く。結局初日にちらっと挨拶したくらいで、後は言葉も交わせず、目も合わせられないから、結局参加者の誰とも交流してない。横のつながりが出来にくい、面白いシステムだなーと思う。


瞑想ホールには純粋意識の象徴としてシヴァの絵が飾ってあるくらいで、特定の宗教色は全くない。その代わりあちこちに美しい花が活けられている。マントラもチャンティングもしない。アナディに対しても瞑想の最後に軽く手を合わせるだけだし、生徒が先生をグルと仰いで神聖視したり、依存するような状況をなるべく産まないように工夫されてる印象を受けた。


アナディ自身も本当にぱっと見普通のオッサンで、正直カリスマ性はそんなにないと思う。語り口も難解なことをだらだら話すので、結構苦痛なことも多かった。存在感だけでもっていかれるというタイプではない。セイントというよりは天才肌の瞑想家。だから逆にリラックスして面談が受けられたし、過剰に何かを期待することもなく、わりとフラットに向き合う事ができた。でも、ミーティングの後はいつも、鮮烈に何かに突き抜かれた感覚になった。エネルギーの印象はキーンとクリアな透明感。だから面と向かった時にドカーンと来るのでなく、後でその濃さに気づく。


瞑想中にしても、話が小難しく聞いているうちに集中力が欠けて、身体の痛みが気になりだす。モソモソしながら何とか我慢して、はーやれやれ終わったかと彼の顔を見上げると。なんだか大きな愛を感じてじわーっと来ることが多々あった。だからやっぱり只者じゃないんだろう。ちょっと宇宙人みたいと思ってた。


何といってもあまりにも話が難解だから。瞑想指導の時、ものすごい細かいポイントへ注意力向けて行く、重心のおろし方の質まで、呼び名がいくつもある。それを頭蓋骨の内部で行う。でもその通りにやれると彼のエネルギーサポートもあり、本当にシンプルそして深く、ただあるという感覚になった。シンプルにビーイングするためのドゥーイング。瞑想が終わっても身体が重く、重力に沈んだようになる。ただただ呆然とその存在の密度を味わう。

ああ、存在とはこんなに重たいものだったのかと。


それにしても、そこまで細かい区分けが必要なんだろうかそういう素朴な疑問を、ある日素直に聞いてみた。実際にそこに存在するから、それを伝えてるだけ、数学よりよっぽどシンプルだろう。難しいじゃなくてわかろうとしなさい、インテリジェンスを使いなさい。と言われた。オタク的探究なのか、普通の人類の数倍先を行ってるのか分からない。そういうところも宇宙人だなーと思う。

あの時ずっと感じていた存在の重さは、今もまだ背後に流れている。そんな状態でデリーの街を歩くのは、けっこう大変なんだけど…




by umiyuri21 | 2017-11-24 02:07 | ヨガ滞在記


旅とヨガとイラストレーション。世界と身体と脳内をめぐる旅。


by 若山ゆりこ

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