Gypsy

c0010791_1842550.jpg 趣を変えて最近描いた絵などアップしてみることにしました。
 
 近頃、ジプシー関係の来日公演が立て続けにあったりして、ジプシーづいている。
 10月9日はさいたま芸術劇場で行われた、「彩の国 ワールドミュージックフェス」に足を運んだ。この日の公演は3部構成でロナ・ハートナーとピエール・ブランシャール、ファンファーレ・チォカリーアというお得なラインナップ。しかも公演前にマハラ・ライ・バンダの無料ミニコンサートまで付いていた。ジプシー系ミュージシャンは昨今何度も来日しているし、新鮮な驚きは少ないかなあなどど思っていたら、やっぱりすごく良かった。特にロナ・ハートナー(彼女はルーマニア人でジプシーではありませんが)の声と存在感にやられ、すっかりファンになってしまった。
 と言うわけで、11日のロナの東京公演にも足を運んだ。会場が渋谷の「DUO」で間近に見られたし、単独ライブだからたっぷり演奏も聴けて、マハラもゲスト出演し、公演時間の短かったさいたま公演より断然見応えがあった。登場してくる時の彼女の歌がホントに染みて、思わず涙ぐんでしまうほどだった。休憩時間トイレにいくと外で女の子達が話をしており、「ああいう(ジプシーの)音楽聞くとなんだかうるうるきちゃうんだよね」と言っていた。
 
 本当に何故ジプシー達の音楽ってこうも心に染みるんだろう。心が締め付けられるような、いてもたってもいられないような。せっぱ詰まったような・・なんとも言えない気分になる。心の深いところに入り込んで来る感じがする。一体どうしてなのかと、つらつら考えていたら「あの世」に最近はまっている私は、ああジプシー達は半分「あの世」に足を踏み入れている存在なんだ〜。と思いついた。
 この間網野善彦の「日本の歴史をよみなおす」という本を読んでいたら、中世の日本では道や辻のような場所は世俗の縁が切れた場所と考えられており、そこで起こったことは世俗の世界には持ち出さない、という慣習があったことが書かれていた。同様に道の途上にある旅人も俗世の縁が切れた存在「無縁」の場にいる存在と考えられていたらしい。
 そう考えると、遍歴生活をするジプシーたちはまさに「無縁」の存在である。彼らには彼らの厳しい生活、現実があるにしろ、定住して秩序のある暮らしをしている「この世」の住人からしてみれば、この世ならざる世界の人々に違いない。そういう「異形」のモノ達がどこからともなく音楽を携えてやってくる、占いをしたり、盗みをしたりもする。ちなみに中世の日本では盗みや賭博も芸能の一部と考えられていたらしい。
 ジプシー達は「この世」のフィールドでは悪どいことをしたりもする、でも彼らはどうやら「この世」とは違う世界に触れながら、そこから音楽を奏でている。私たちには知ることができない魔術的な何かを知っている予感がする。だからこそ妙に心惹かれてしまうのかもしれない。 
 
 そんなことを心に留めつつ、先週ベリーダンスのレッスンに行ったら、ミシャールがジプシーのステップを教えてくれた。(彼女もロナの公演に来てたからその影響かしら?)タン、タン、タン、タタンというジプシー特有の9拍子のステップだ。右で床に触れ、ステップ、左に重心を移し、タタンで右足で床を擦りつける。今度は逆にしてその繰り返し。音楽に合わせて踊るとこんがらかって汗が出てきた。このステップちょっと与太ったような動きになるのだ。コツは上半身はリラックスしてちょっとだらしない感じで踊ること。ミシャールによるとこの動きは「ジプシーの自由なあり方を表現しているのよ。」とのこと。コルセットで身体をがんじがらめにしていた西洋人にとって、こういうジプシーの動きというのは衝撃的だったのだそうだ。「私たちはジプシーよ。そういうのは関係ないの、という感じで踊るのよ。」と教えてくれた。「西洋人にとってこういう動きは、とてもはしたない事だったけど、同時にとてつもなく魅力的なものだったのよ。」ふむふむやはりそうなのね。私たちはいつも明日の生活、10年後の生活を心配して、一定の価値観にがんじがらめになっているけど、本当はそんなことみんなうっちゃって自由な世界に、「無縁」の世界へ旅立ってみたいのだ。その「無縁」の世界の感触を、彼らの音楽がそっと教えてくれる気がするのかな。
 
 ところで、先日15日にはジプシー音楽研究家の関口義人さんの新刊トーク・ショーにも足を運んだ。85カ所あまりのヨーロッパのジプシー集落に足を運んでいる関口さんによると、ジプシーは徹底的に男尊女卑の社会で女性がダンスで生計を立てているのを目撃したことはない、という。我々の憧れとは裏はらに、彼らの現実生活はかなりシビアなものらしいのだ。
 でも、それではいわゆる「ジプシースタイル」のダンスって一体どこから来たものなんだろう?トルコかしら?イスタンブールでジプシースタイルのダンサーセマに会った際に、ルーマニアでワークショップをやったなんて言ってたけど、その場合の生徒は誰?と同時に謎も深まった。
 
 さて、来月はさらにタラフ・ド・ハイドゥークスもやってくるのだ。楽しみだな〜。http://plankton.co.jp/taraf/index.html
 
by umiyuri21 | 2005-10-22 18:05 | 音楽


旅とヨガとイラストレーション。世界と身体と脳内をめぐる旅。


by 若山ゆりこ

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