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ラーフとケートゥ

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去年から始めたインド占星術の学びは順調に続いており、最近は周りの人々を鑑定したりもしています。インド占星術は吉凶をはっきり出すので、最初は自分のチャートのいい部分や悪い部分に一喜一憂していたのですが、色々な人のチャートを見るうちに、だんだん俯瞰的に眺められるようになってきました。いわゆる個性的な人ほど凶星や凶ハウスが効いてたりするんですよね。そういう方の人生は平和とは言いがたいかもしれないけど、ダイナミックだし、タフな生き方をしている人が多いです。やはり実際に人とチャートを見ていくことが一番勉強になりますね!


そんな中で、最近ラーフとケートゥについてよく考えています。西洋占星術で言えばラーフはドラゴンヘッド、ケートゥはドラゴンテイルに当たります。実在の惑星ではなく、計算によって導き出される月の軌道と太陽の軌道の交点、ラーフケートゥ軸の近くで新月か満月が生じる時、新月は日食、満月は月食になります。


ちょうどこの1ヶ月、月食、日食、月食が続いていた時期ですから、ラーフやケートゥについて考えてみるのはぴったりでだったかも。


インド占星術ではこのラーフとケートゥは他の惑星と同じくらい重要視します。そしていずれも凶星扱いで、伝統的には忌み嫌われます。それは、実際の惑星ではない、いわゆる埒外の星だからかもしれません。在住するハウスや同居する惑星を傷つけると言いますが、実在の星でない分、その働きはミステリアスともいえます。


ラーフは貪欲さ、快楽主義、物質的、中毒、向こう見ずさ、勇気など外側に拡大していこうとするエネルギーです。アクセルを踏んでどんどん突っ込んでいこうとします。ラーフが位置するハウスや、ラーフが関わるダシャーの時期にこの働きが表に出て来ます。


外側に向かうエネルギーが拡大するので、芸能人やアーティスト、政治家などが急にブレイクしたりするのはこの星が関わっていることが少なくありません。そして正規の惑星ではないのでアウトアーストや外国を表したりもします。イケイケモードになるので恋愛にも関わりやすいです。人生が急に波乱万丈になったり、何かと巻き込まれやすい時期と言われています。


ケートゥはラーフとは逆で内向性、禁欲性、引きこもり、純粋さ、解脱、神秘主義や直感など、人を内省的にするエネルギーです。ですから一般的には現世的な活動には向かず、ケートゥが関わる時期は引きこもりがちになったり、不思議なものに惹かれたり、厭世的で孤独を感じたりしがちです。ただ、集中力はつきますし、内側に向かうエネルギーは研ぎ澄まされますので、スピリチュアルな活動にはぴったりです。ラーフが「取り憑かれる」感じならケートゥは「引き込まれる」そんなイメージです。

インド占星術の大家、KNラオ先生もその著作の中で「ケートゥは最も不可解な惑星」と書いています。


インド占星術の大きな特徴として「ダシャー」という運気の流れを見ていく技法があります。一番メジャーなヴィムショッタリーダシャーでは各惑星ごとに7~20年の周期を当ててそこから人生の変化を読み取っていきます。1周するまでに120年かかり、ひとつの人生で全ての惑星のダシャーを経験できるわけではありませんし、人生のどの時期にどの惑星のダシャーが当たるかも重要です。


さて、このヴィムショッタリーダシャーでは「ラーフ期」は18年もありますが「ケートゥ期」は7年だけです。時々逆だったらこの地球の人間はもっとスピリチュアルだったんじゃないかと思うのですが。今の世の中は物質世界にコミットしないと生きにくい世界ですから、「ケートゥ期」が7年しかなくて良かったといえば良かったのかも。


ちょうど先日インド占星術を学んでいる吉野まゆ先生が「ダシャーを語る会、ケートゥ期編」を開催し、それぞれのケートゥ期の体験をシェアしつつ、ケートゥ期に起こりがちがちな事象などを確認しあいました。

ケートゥの配置などによっては、全然厭世的じゃなくて、仕事に邁進していた方もいらっしゃいましたが、話を聞くと何となく共通して「魔法にかかってる」感があるなあと思いました。ちょっと違った世界に引き込まれていくような。


私は7年間のマハーダシャーの「ケートゥ期」を8年後に控えています。これまでマハーダシャーの中で数年ごとに分割されるアンタラダシャーで3回ケートゥ期を経験しましたが、かなり強烈でキツイことが起こりました。自分の人生を一枚の絵に示したらケートゥ期の出来事ってそこだけ異色というか、小さいながらも絵の全体を変えるようなインパクトのある一筆みたいな感じです。


一方「ラーフ期」ですが、私は生まれた時にマハーダシャーラーフ期からスタートしているので、残念ながらその時の記憶はほぼありません。でも、北海道の東の片隅で敬虔なクリスチャンの家庭に育ったという環境がラーフ(アウトカースト)っぽいといえばそうかな。そして2回のアンタララーフ期の時は、両方とも何かに「ハマって」ました。服装やライフスタイルも大きく変わって、これも絵に例えると、そこだけ妙に浮いた派手な色が置かれてるみたい。


ケートゥ期は自分の内的な領域に変容を及ぼし、ラーフ期は社会的な立ち位置が変わったという感覚があります。そしていずれも振り返ってみると「あれは何だったんだろう?」いう不思議な感じが残ります。かなりミステリアスで幻惑的な存在です。伝統的なインド社会で嫌われたのも当然かもしません。


ラーフケートゥはひとつの軸として他の惑星とは逆行して進み、18年かけてホロスコープを1周します。トランジットのケートゥが第1ハウスに入って、トランジットのラーフが第1ハウスに入るまでが9年。人生のサイクルとして捉えやすく、やはり大きなターニングポイントになってることが多いです。もちろんダシャーが優先なんですが、そこに別のフィルターがかかって濃淡つけてる感じ。


このラーフケートゥ軸のトランジットのポイント(アセンダントや月、太陽との合も含め)で起こった出来事を繋げていくと、ダシャーの変化とは違った風景が見えてきます。何となく自分の深い部分と関わっているような気がします。(これはあくまで自分のチャートを見ての推論なので今後検証が必要ですが。)


ちょうど今年の9月20日に私の第1ハウスである射手座に滞在していたケートゥが蠍座へ移ります。それとほぼ同時にアンタラダシャーもラーフになりますので、どんな景色が見えて来るのか、ちょっと楽しみにしています。不思議な場所に連れていかれないように注意しなくては...!


ご自分のラーフケートゥの位置を確認したい方はこちらを。



by umiyuri21 | 2020-07-06 18:38 | 占星術


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by Yuriko

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