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反逆の花〜8室の考察

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瞑想サークルでも時々実践している「トンレン」という慈悲の瞑想法があります。これはイメージと呼吸を使って、慈悲心を育ててゆくプラクティス。このトンレンを考案したチベット仏教の高僧アティーシャについて調べていたら、Oshoの「アティーシャ 智慧の書」という本にたどり着きました。

アティーシャ(982年〜1054年)はベンガル生まれの仏教僧です。 

60代になってからチベットに招聘されて 当時仏教が衰退しかけていたチベットへ趣き、

72歳で亡くなるまで、チベットに滞在し布教につとめ、菩提心の重要性を説き、それを理解するための手法を体系化しました。


「アティーシャ 智慧の書」は、アティーシャが残した秘儀「ロジョン(心の訓練法)」をOSHOが解説したものです。「ロジョン」は59のスローガンから構成されますが、元々はアティーシャが一人の弟子に口伝で残したもの。それを後年ゲシェ・チェカワ・イシェ・ドルジェという人がテキストにまとめました。

読み始めると非常に深い内容で、この本に書かれている教えをしっかり腑に落としていくだけで、人生もう充分なんじゃないかと思うほど。


アティーシャも「ロジョン」も日本ではあまり知られていませんが、チベットでは非常に重要な存在で、他にもチベット仏教の僧侶の方々による本が何冊も出ているので、順次読んでみようと思っています。


さて、ロジョンについては、もっと深めてから書くとして、前置きが長くなりました。


そうした過程の中でOSHOの幼年期から光明を得るまでの出来事を描いた「Rebellious Flower (反逆の花) 」というインド映画を見つけました。2015年の作品のようです。生憎Youtubeには字幕の付かないヒンディー語版しかなく、ほとんど内容のわからぬままに見てみました。インドの田舎の風景が詩情豊かに描かれており、何よりも音楽がとても美しくて、何とかして内容が知りたい!と今度は彼の幼年期の出来事について調べてみました。


インド占星術をやっている人にはおなじみなのですが、OSHOのホロスコープ は非常に個性的で、8室に5惑星が集中しています。8ハウスはホロスコープの12のハウスの中でも最も神秘的かつ手強いハウスと言われています。


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インド占星術では凶の作用が強い「ドゥシュタナ・ハウス」に分類されます。そしてスピリチュアルな解脱をもたらす「モクシャ・ハウス」でもあります。


8ハウスは生と死を踏み超えた根源的なものを探求します。ですから深く物事を研究するには最適です。そして遺産相続や、パートナーからの恩恵など、棚ぼた的な利益を受けとれるという象意もあります。同時に突発的なトラブルやコントロールできない物事、慢性病や持病など、サレンダー的な要素が強く、オカルトやセクシュアリティも8ハウスの管轄です。


この人生を平穏に過ごすには、あまり蓋を開けなくてもいいような領域で、8ハウスで起こる事柄は一筋縄ではいかず、凶と考えられるのです。しかしそれは、裏を返せば非常にスピリチュアルなハウスでもあります。実際にスピリチュアルなことに関わっている人はこのハウスに惑星があることが多く、どちらかといえば王道路線ではなく、裏街道傾向という印象です。


OSHOは牡牛座ラグナでラグナロード金星(1,6L)、火星(7,12L)、土星(10,11L)、月(3L)、水星(2,5L)、と5惑星が射手座8室に集中しています。10ハウスの支配星である土星も在住しており、サンヤーシ・ヨガを形成。月は3ハウス蟹座で高揚している逆行の木星と星座交換。この木星のナクシャトラも「とぐろを巻く蛇」というオカルト的象意を持つアシュレーシャ。


モクシャハウスである8室に5惑星、それ以外の木星は蟹座、太陽は蠍座、ラーフは魚座。乙女座ケートゥ以外は、モクシャサインである水の星座に在住しています。非常に神秘的な印象を受けるチャートです。一方で牡牛座ラグナだから、5感の心地よさ、美しさと言ったものを肯定的に捉えていたのかな、とも思います。ダンスが好きだったり、衣装に凝ったり、ロールスロイス集めていたりとか。



さて伝記によれば、OSHOが生まれた時、占星術師からこの子は7歳まで生きられないかもしれない、もし7歳まで生きられたら正式にチャートを作りましょうと言われ、7歳まで祖父母の家に預けられたそう。ダシャーを見ると8室在住のラグナ・ロード金星期からスタートして、7H在住の太陽期、その後は月期、火星期とずっと8室のダシャーが続きます。


7歳を過ぎてもOSHOは生き延びましたが、代わりに最愛の祖父を亡くしました。初めて死を目の当たりにした体験が多大な影響を及ぼしたと書かれています。光明を得たと言われるのが21歳で月期の終わり 月 / 金星期 で、その後大学の哲学教授をしながらインド全土を講演して回ったのが丸ごと火星期時代。そして11室魚座のラーフ期の始まりあたりからその名が広まって、1974年プーナに落ち着いたのがラーフ / 金星期です。急速に組織を拡大していったのはラーフ期ならではですね。


そして木星期の始まりに1981年にオレゴンに移動、85年にオレゴンのコミューンは解散、アメリカを追放されて、世界中を回っていたのがちょうど木星 / ケートゥ期。どの国でも入国拒否に遭い (ケートゥっぽい) 最終的にプーナに戻ったのが木星 / 金星期です。居場所が落ち着かなかったのは3室在住故でしょうか。(3-8室で星座交換してるし) その歴史とチャートを重ね合わせると、ざっくり眺めてもちゃんとダシャーがリンクしているのが興味深いです。



OSHOは未だにスキャンダルな印象が強く、賛否両論、食わず嫌いの人も多いと思いますが、いわゆる世間一般が認める立派な「ザ・聖者」ではないのも8室的だし、タブーに果敢に切り込んでいったのもまさに、という感じがします。


その講話は世界中のスピリチュアルな教えをドグマや宗教に偏らず、俯瞰的に解説していて、私には非常に勉強になります。

何よりもこの生を否定せず、真っ向から生き切る事で、それをスピリチュアルな成長に変容させてゆけるというのは、本当に重要なメッセージだと思っています。折に触れて立ち戻らされ、いつも大切なことを教えてくれる存在です。(私自身が射手座ラグナだから親和性があるのかも。)


ネガティブなものを黄金に変える、それこそが錬金術だというようなことを講話の中でも述べていますが、OSHOの前世はチベット仏教の高僧と言われており、もともとチベット仏教の瞑想法にはそのような、ネガティブなものをポジティブに変換させる瞑想法がいくつもあり、先に述べた「トンレン」もその一つです。

究極的にはポジティブもネガティブもマインドが作った観念にすぎないのですから、破壊的な衝動や感情を、押しやって逃げるのではなく、そことまっすぐ向き合い、意識の光を当てることで、変容に導くというのは、実はとても現実的な方法論でもあると思います。同時に隠しているものに開いていくのだから危険も伴います。陰を極めて陽にする、これこそ8室のテーマ!


過激な側面がクローズアップされましたが、時代を経て、価値観が変わって、瞑想も一般化しつつある今こそ、OSHOの語っていることを、オープンに素直に受け止められる下地ができているように感じています。


強烈に生きるということは、決して破天荒に生きるのではなく、つまりはマインドフルに生きることかもしれません。


今、目の前のある、この瞬間の深い深い味わい。頬を撫でる風の、足の裏に触れる大地のその感触、ひとつの呼吸の隅々まで。喜びだけでなく、憂鬱さや、悲しみ、怒りにも、私たちが繊細に開く時、それが彼の言う「生のジュース」を味わうことなんじゃないのかなって。

そして、マインドを通さない丸裸の今を、感じることよりも過激なことは、本当はないのかもしれません。


「Rebellious Flower 」の中で描かれる美しい自然と音楽を噛み締めながら、そんな事を考えていました。


サントラがすっかり気に入ってしまい、最近のヨガ中のヘビロテBGMにしています。

https://youtu.be/kBYooETtQtk


ところでアーミール・カーンを主演としてボリウッドでもOSHOの伝記映画を制作中のようなのです。一体どんなのが出来上がるんだろう。






by umiyuri21 | 2020-09-25 20:59 | 占星術


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by Yuriko

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