Sema week

c0010791_2342217.jpg先週はトルコの名ベリーダンサーセマ・ユルドゥスが来日して、彼女に付き合って、日々心はリトルトルコな一週間だった。
 12月のトルコ旅行では随分彼女にお世話になって、いつの間にか食事代を払ってもらったり、あるレストランでは、偶然セマが途中で現れてくれたおかげで、明らかに我々だけで行くより値段が3割は安くなった経験もあった。
 彼女は夜のイスタンブールの顔って感じで、ジプシーの演奏する居酒屋や、ベリー・ダンス・レストランではどこでも知り合いや若いダンサー、ミュージシャンに声をかけられ、リスペクトされているのがよく分かった。自分たちでは絶対入り込めないディープなイスタンブールの夜の世界をかいま見れて本当に楽しかった。
 だから、今回の来日ではしっかり恩返しせねばと思っていた。結果、家にご招待してトルコ料理を作る機会を得、居酒屋に行ってみたり、もちろんWSも受けて、彼女のショーでもご一緒させていただくことができた。本当に充実した1週間になった。ああ、あこがれのダンサーをお家にお呼びできたなんて感無量・・(おまけに部屋で踊ってもらった!!)としみじみ。
 WSやショーで改めて彼女の踊りをじっくり見て、私はまたまた大いに感動し、沢山のエネルギーをもらった。実際ゆっくりきちんと、セマからレッスンを受けたのは初めての機会だった。
 表情豊かで、人生が反映されたような深い表現力と、同時に年齢を忘れさせる愛らしさに、すっかり魅せられてしまった。ますます彼女のファンになってしまった。あの場にいた全てのダンサーが年を取ってもあんなに素晴らしく踊れるんだ!って思ったに違いない。

c0010791_2422216.jpg セマはとにかくエネルギッシュで、あらゆる面で過剰な所のある人なので、ずっと一緒にいると少々疲れるのだが、愛情も過剰に持っている人なので、最後には全てを受け入れてしまえる。しかもストレートすぎて、コミカルなところもあるから、観察していてかなり楽しい人なのだ。私はひそかに演歌おばさんと呼んでいる。もともと情が深くて、感情的なトルコ人の中でもこんなに、情が濃い人も珍しいんじゃないかしら。「みんな私の娘達よ!!」とか言ってみたりして。それがあの、なんとも味わい深い踊りに繋がっていると思う。
 濃い〜泣きのトルコメロディーに合わせて踊る彼女を見ていると、心はどっぷりトルコに飛ばされて、ラクを飲んで涙ぐんでるトルコオヤジみたいに、ウルウルこみ上げてくるものがある。多分、日本のベリーダンスはどっちかというと、エジプシャンが主流でなかなかオーセンティックなターキッシュ・ダンスを見る機会も学ぶ機会も少ないと思う。ましてやロマ・スタイルの踊りを見る機会はすごく貴重だし、トルコでもあんまり見ることができない。彼女の踊りを見た人々は、日本ではなかなか実感することのできないエジプシャンとターキッシュの違いを、肌で感じることが出来たんじゃないかと思う。そういう意味でも素晴らしいショーだったと思う。
 
 私も初めはこの両者の違いをなかなか把握することが出来なかったのだけど、度々トルコばかりに行くようになってぼんやりと感じたことは、他のイスラム諸国になくてトルコにある感覚、それは「酒と冬」なんじゃないかと思いつつある。とくにジプシーの変拍子のつんのめるようなリズムは、飲んだくれ感覚と深く繋がっている。飲んだくれると感情が増長させられる。特に悲しみと怒りが。そして冬もしかりである。
「ジプシーの踊りは戦いなのです。」とセマが言っていたのがすごく印象に残った。確かに東欧のジプシーの踊りでも飲んだくれて皿をがちゃんがちゃん割ったりする。ロマ・スタイルのダンスでもブレイクで身体に拳を打ち付けたりする仕草に、強いエネルギーが込められているのだと知った。だからロマ・スタイルのダンスでは、本来はニコニコ笑わないのだそうだ。WSの中でセマは大好きなジプシーの古い歌で踊ってくれたのだが(ショーでも踊っていた。)この歌の意味は?と尋ねると
「私の敵に天罰が下りますように、ってジェラシーの歌よ。私が綺麗な目で踊るから、お前はその目を閉じなさいって歌ってるのよ。」(ちょっとうろ覚え)と言う。 喜怒哀楽の中で一番、排除されがちな怒りや嫉妬の感覚に光をあて、その中に美を表現するなんて、日本人にはなじみの薄い感覚だ。そんなコワイ歌で涙ぐんだりするんだからやっぱりトルコ人って激しい人種だ。
 ポピュラー・ミュージックの世界では怒りを表現するのはラップやパンク、かつてのロックだったりするけれど、ジプシー達の音楽はその元祖であったのかもしれない。そして怒りを表現する者はいつもアウトサイダーに決まってる。
 セマの踊り、特にロマ・スタイルで踊っている時の彼女は、力強く、野性的で女ロッカーみたいで本当にかっこいい。そして音楽によって心から溢れて来る感情に、完全に動きがシンクロしている。これは学ぼうとしても学べるものではなく、ただそのフィーリングを吸収しようと目を皿のようにして見つめているしかなかったのだが・・。

 また長くなってきた、この辺で終わりにしよう。とにかくこの素晴らしい踊りを見る機会を与えてくれた、ミシャールに感謝。そしてありがとうセマ!! 
そして今度はババズーラがやってくる、リトル・トルコ月間まだ続きます☆
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by umiyuri21 | 2007-03-14 02:45 | ベリーダンス


旅とヨガとイラストレーション。世界と身体と脳内をめぐる旅。


by 若山ゆりこ

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